メイン創作の語句説明です。天界、地上界問わず世界共通の認識となるものを記載しています。造語に引っ掛かった際、閲覧して頂ければ幸いです。
✦記載―星降り/穢れ/穢獣変異現象/穢れ憑き/穢れ神。
星降り
五十年に一度、日暮れから夜に掛けて空から雨のような光が降る現象の呼び名。創造神_星波が力を込めているものであり、これによって世界が保たれている。
彼女にとっては定期的なメンテナンスでしかないが、穢れを祓い、地上の獣に活力を与える光は神聖視されている。
降り注ぐのは"神"たる最上位の力であるため、穢獣にとっては最も脅威となる。強力な存在でなければ消滅にすら至るもの。
穢れ憑きもこれに対し回避行動を必要とするが、例え建物内や地下にいようと神聖な気による弱体化は免れない。多方面に対して警戒が必要となる。
星降りは穢獣に対抗し得ると気付いた鎖金帝国では、力の一端を回収し学術研究都市_アニマにて様々な研究、開発に用いている。士紋討伐組に対して鎖金帝国軍から支給される極秘の耐性付与薬品などが成果の一つ。
穢れ
獣を穢獣/穢れ憑き/穢れ神に変異させるものの呼び名。
神々、天使が司る神聖さとは真逆の性質を持ち、陰な気配を有するもの。通常目に捉えることは出来ないが、アレグリア王国跡地など濃度が濃く具現化した際は赤黒い霧のように見える。
穢れを押さえ込めるのは神々、天使の神聖な気であり、それは穢れよりやや優位である。が、濃い穢れを祓うことは出来ず、世界に根付いたものを完全に打ち消すことは出来ない。力の釣り合いが保たれている。
一般に知れ渡ってはいないが、動植物に寿命という概念が存在するのは穢れがもたらす影響である。よって天界などの穢れを寄せ付けない神聖な土地では肉体の成長速度が極めて遅くなるという。
最も強い対抗力は『星降り』によって降り注ぐ創造神_星波の力であり、星降りが行われた際は一時的ではあるが穢れた土地さえ無装備で侵入出来るほどに弱体化される。
ただ、危険指定区域―禁足地であるアレグリア王国跡地はこの対象とはならない。
穢獣変異現象
各地で起こる獣の凶暴化現象。原因とされるのは穢れの干渉であり、変異した獣のことを『穢獣(えじゅう)』と呼ぶ。
穢獣へと成る可能性は種族違わず全ての獣にあり、その事象に具体的なトリガーがあるのかは現状判明していない。変異した獣のほとんどは理性を失っており、彼等はただ衝動のままに他を害する存在である。言語は発さず容姿も変異しているため、身元が特定されることも少ない。
元の状態に戻すことは現状不可能とされ、変異した獣はただ国の討伐対象となるのみ。穢れと同じ性質を持つため神聖なもの/存在を苦手とする。
穢獣は変異と共に身体能力が強化されており、討伐対象であると同時に各国にとっての脅威である。また変異前には有していなかった特殊能力を得た個体も多数確認されており、通常個体以上に危険視されている。以前は有していない故に身元が判明して尚データがなく、対峙しなければ分からない危険要素となる。
穢れは呼吸または傷口から影響を与えている。そのため帝国ではアレグリア王国などの穢獣変異率の高まる土地/状況に於いて、ガスマスクの吸収缶に『神聖なもの』を入れ空気内から穢れを弾く方法を一般的な変異の回避手段とする。
神聖とされる品の中で現状は天使の羽が最も下位。また、この方法は肉体に外傷がない状態でのみ安全と言える。
鎖金帝国軍,士紋討伐組に向けて学術研究都市_アニマで製造されるガスマスクは、多くの場合『星降り』の抽出液に物体を漬けたものが内包される。
羽、肉などは穢れに晒されるにつれ力が失われるが、星降りの効力は数十年安定して効力を持つことが理由。
穢獣の存在を容認してはならない一方、接触し外傷を受けた獣は連鎖的に変異する可能性がある。公には帝国軍が討伐を行うものとされるが、肉体を守れないガスマスクでは戦闘に向かず、軍が積極的に手を出すことは出来ていない。
事実、鎖金帝国では軍の上層部により発足された『士紋討伐組』が穢獣の討伐を担っており、彼等は学術研究都市_アニマから開発される『星降り』を用いた耐性付与薬品によって穢れへの耐性を獲得している。普段は『帝国災害救援組織』として活動する秘密組織。
変異した獣を元に戻す方法も学術研究都市_アニマで研究が行われており、特に最も強い力である『星降り』のエネルギーを用いる方法に目が向けられている。
アニマの研究者であったアナトミア・アテマにより実証実験が行われているが、星降りの抽出液を打たれた穢獣は拒絶反応によりほとんどが死に至った。調節により効果を示す可能性はあるが、星降り自体が五十年に一度であり、抽出液は貴重品であるため研究の進みがいいとは言えない。
穢れ憑き
時に穢獣となりながらも肉体の変化に適応し、理性,言語を失わない存在が確認される。変異時に凶暴化することもなく、外部に露見するのは容姿の変化のみ。
近しい獣には判別がつくが、それを避けさえすれば多くの種が存在する世界で一般に露見することは滅多にない。穢獣と区別するため対象は『穢れ憑き(けがれつき)』と呼ばれる。
対象者は穢獣と同じく、身体機能の上昇を基礎にした上で特殊能力を得ることがある。穢れ憑きとして最大の利点だが、不明な点が多い力を行使することは身を滅ぼす危険性を伴う。
少なくとも鎖金帝国では、対象者のファイリング,警戒,所在の確認や把握,特殊能力の分析といった管理はするが討伐対象とはしていない。
理由の一つとして、穢獣/穢れ神と違い加害によって変異を誘発させた例が報告されていないことが挙げられる。だが情報が圧倒的に足りておらず、凶暴化する可能性は捨てきれないという理由で風当たりが強いのも事実。畏怖される存在。
隔離や殺害の対象とする国も多く、自身が穢れ憑きであることを明かさず暮らしている者は各地に存在すると思われる。
穢獣/穢れ憑きは変異と同時に穢れへの適応力を得る。だがその多くは完璧ではないため、一般獣だった頃の性質から身体が適応しきれず個々に問題を抱えていることも多い。過眠,記憶障害,精神的負荷,能力発動時の肉体的負荷etc…。
身に宿した穢れに対して優れた適応力を得た獣ほど強靭かつ不老に近付き、肉体,精神へのデメリットなく能力を行使できる存在になるという。
鎖金帝国ではそういった適応率70%以上の枷のない穢れ憑きを『解放者/リベレーター(Liberator)』と呼び、対象者の人格や動向、所属勢力に特段注視している。
また穢れ憑きは肉体のみで能力を扱うことから、魔力を消費する魔法とは異なり陣が出現しない。そのため氷舞狼一族などの血筋により能力を持つ系譜能力者たち、実態の知れない国の権力者などに疑いの目が向くこともある。『力を得て死に近づいた獣』。
穢れ神
神という神聖な獣が穢獣へ変異すると、それらは"穢れ神"と呼べる存在になる。一般の獣と違い、肉体または精神的に弱っていなければ堕ちることはないがその分被害は甚大。
元の個体が力を持つほど堕ちた際もより強力となり、植物や空気、土地にさえ穢れを拡大させる。
穢れ神となり、アレグリア王国を滅亡させた死神タナトスによる災害は、対抗できるものではないとして"天災"と語られている。